本の紹介
2015.04.21
「湊川新開地ガイドブック」
『湊川新開地ガイドブック』(新開地アートストリート実行委員会)
美術家・井上明彦氏をはじめとするプロジェクトチーム「曙団」が、2003年に3ヶ月をかけてまちのフィールドワークを行い、成果をまとめたアートブックです。
新開地は、もともと湊川という川でした。明治29年(1896)に氾濫して大きな被害をもたらしたことで、付け替え工事が行われ、以前の川筋は埋め立てられ、細長い砂地の空地になりました。この空地はやがて、日本有数の大歓楽街に発展していきました。
この本では、新開地の誕生以前をひも解いた「湊川から新開地へ」、大衆演劇・無声映画などで賑わっていた「歓楽のまち」、様々なまちのシンボルの変遷「公園と駅」「タワーと温泉」、天井川の地形の名残りを綴った「土手めぐり十二景」など、様々なテーマによって眠っていたまちの魅力がクローズアップしています。各ページの下段には、新開地で長く続いてきたお店の店主が語る「まちの逸話」が紹介されていて、興味を惹きます。