支援活動を止めるな!
21(水)のTalkin'About「コロナ禍での新しいつながり方」には、
26名(22名はオンライン)の方にお集まりいただきました。
今回ご登壇いただいた豊中市社会福祉協議会の勝部麗子さんは、
コミュニティソーシャルワーカーとして、
孤独死、ごみ屋敷、ひきこもり、生活困窮、
女性や子どもの貧困、ホームレス、若年性認知症など、
地域社会の生活の中にある課題に取り組んでおられます。
これらの課題を抱えている当事者の多くは、
経済的な貧困とともに、人間関係の貧困、つまり、
孤立し、誰にも相談できない状態に置かれていて、
そのために心を閉ざしてしまっていることも多いそうです。
また彼らが抱える課題に寄り添う制度がないために
役所の担当部署に相談しても解決につながらないと。
勝部さんは、そうした当事者の課題に向かい合い、
新たな解決の仕組みを地域に生み出してきた方です。
今回のテーマは「コロナ禍でのつながり方」。
社会の中で孤立してしまっている人たちに
人々や支援制度とのつながりを作る活動が、
コロナ禍で難しくなり、支援を受ける人たちだけでなく、
ボランティアの人たちまで弱ってしまう状況を前に、
勝部さんたちは、緊急貸付けの業務に取り組む一方で、
住居を失った人たちへのアプローチ、往復はがき、
手作りマスク、Youtubeチャンネルなどの活用、
活動再開のためのガイドラインづくり、
屋外での活動、大学生への食材支援、
テイクアウト型の子ども食堂と学習支援、
オンラインの交流の場づくり、などに取り組まれました。
詳しくは、勝部さんが書かれている、
「NHK 地域づくりアーカイブス」の中の連載
「コロナに負けない地域のつながりを作る」を。
https://www.nhk.or.jp/chiiki-blog/300/440235.html
ここまで包括的に、多方面にわたって活動しているところは
全国広しといえどもそうそうないのでは、と思える充実ぶりです。
勝部さんは、引きこもりの子どもに会いに行く時に、
“支援”ではなく“スカウト”に行くのだと言います。
その子にどういうことができるのかを訊いて、
彼らのできることで、誰かを支えてもらうのだと。
画像は、そんな子どもたちが描いた漫画で、
書籍として売られ、現場のストーリーを多くの方に伝えています。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88CSW%E3%80%89%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4-%E8%B1%8A%E4%B8%AD%E5%B8%82%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%A6%8F%E7%A5%89%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A/dp/4907946007
地域にいる“困った人”は、“困った問題を抱えている人”
“困った人に文句を言う人”は、“関心を持っている人”
そう捉えることで、排除するのではなく
包摂するための道筋を探っていかれるのだそうです。
働きすぎでは?との質問に対して、勝部さんは、
「私は趣味がコミュニティソーシャルワーキングだから」
とさらって答えておられました。
公私の隔てなく動かれていることが、
これだけの結果につながっているのですね。