都市・大阪の輸入置換
昨日の「『発展する地域 衰退する地域』を読む」には、8名の方にお越しいただきました。
この本のキー概念は“輸入置換”。これまで輸入していた製品をみずから作り出す力を持つ地域こそが都市になる、というものですが、この本の味わいは、都市としての発展を続けられない地域についての、辛辣な描写の部分にあったりします。
資源や特定産品の供給地域、
生活が厳しく労働者が出ていく地域、
技術の流入で余った人の仕事がない地域、
工場を誘致して発展を得ようとする地域、
公共事業によって仕事を作り出す地域、
これらの地域は“輸入置換”の力を持たないがゆえに、衰退の運命をたどっていく。
また借款、補助金、軍事費という形で稼得を流出させ続ける都市もまた、衰退に向かう。
地域にあるヒト、モノ、カネ、情報といった資源を即興的に掛け合わせる創造性によって、前例のない仕事を生み出していくことが、都市を生み出し、都市であり続けるために必要なこと。そんなご紹介を、させていただきました。
昨日参加いただいた方の中に、大阪府商工労働部で、中小企業のものづくり支援にあたっておられる領家参事がおられました。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/otagai/news/20130909/631535/
領家さんは現在、エコノミック・ガーデニングという、企業誘致に頼らず、地元企業が成長する環境をつくる地域経済活性化策を、大阪で進めておられます。
http://www.pref.osaka.lg.jp/mono/eg-osaka/index.html
「東大阪も、堺も、輸入置換の力をもった都市だった。そして今も、技能を持った方がおられる。
そこにやる気のある事業者と資本を結び付け、即興的な企業間ネットワークを再構築していきたい。」
ジェイコブズの慧眼が、大阪の産業政策に活かされていくことを、ぜひ期待したいと思います。