「事前復興」の重要性
9月28日のうめきたTalkin'About「『たたむ』時代の災害復興」では、
兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科の澤田雅浩先生に、
新潟中越地震(2004)、丹波市豪雨災害(2014)、
東日本大震災(2011)での事例についてご紹介いただきました。
新潟中越地震の復興の段階で、山古志地区では、
集落に残りたい人たちが残れるようにしたそうです。
一方、小千谷市東山地区では、移転先を用意し、
希望する世帯が移転できるようにしたそうです。
どちらの事業でも、復興事業に参加したのは
全世帯数の約半分だったそうです。
中山間地域での復興では、元通りにするのは難しく、
結果として、人口は減少することになる。
行政も住民も、そういう厳しい現状を認識しつつ、
どういう形で復興するのかベターなのかを、
時間をかけて話し合いながら進めていくことになりますが、
その時に、中間支援組織や専門家や地域以外の人々は、
どう関わっていくのかを、具体的にお話しいただきました。
「事前復興」という言葉があります。
これは、実際に災害が起きた時を想定して
復興の手順や復興後の将来像を共有することと、
災害が起こる前に、災害に強いまちにしておくことの両方を指すそうです。
実際に災害が起こると、生活を復旧する作業に追われ、
それが一段落した時に、将来のまちをつくる復興が始まる。
震災だけでなく、大雨による洪水や土砂災害が
あちこちで頻発している現状を思うと、
「事前復興」に取り組んでおくことが大事なことだと
あらためて感じました。