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三国屋からみえる生活

三国屋からみえる生活

阪急三国駅から東に7分ほど歩いたところ、商店街の一筋南側に、三国屋という居酒屋があります。創業は1960年。親子で営業しておられます。カウンターも引き戸も木製の、懐かしい雰囲気のお店です。

お母さんは現在85歳。広島に生まれ育ち、戦時中は学校から電気会社の配電所に勤めに出ていて、原爆が落とされたその日に横島に避難したそうです。苦労を重ねた末に、この地で開業したそうです。

三国屋の筋にはスナックが立ち並び、南東側にはマンションが林立しています。マンションが建っている場所は、...かつでは工場でした。日本アルミ(現ナルコ)、東洋電機、大洋マシナリー、諸星インキ(現DIC)、奥谷電機、三國重工業などを中心に従業員10~20人の、鋳物などの町工場が立ち並んでいました。

商店街の北側は、木造平屋住宅が密集しています。界隈はかつて、住・工・商が混在したエリアでしたが、工場は移転し、また土地区画整理事業により、木造密集住宅は解消されようとしています。
http://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000022487.html

立ち退きを求められている住民は、家を壊して、写真を撮って持って行ってはじめて補償金がもらえるそうですが、解体費用がないために、また出て行っても再建できないために出ていけない人が、まだまだ多いそうです。

平屋で住んでいると、朝起きたら隣近所に「おはよう」と声をかけ合うことができるけれど、マンションに移ると、それができなくなる。そういうことが、なかなか移転に踏み切れない理由だったりするそうです。

三国屋からみえる生活。
こういった話が聞ける間に、ぜひ訪れてみてください。
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