イベント
Talkin’ about
2021.10.01
「事前復興」の重要性
9月28日のうめきたTalkin'About「『たたむ』時代の災害復興」では、
兵庫県立大学大学院・減災復興政策研究科の澤田雅浩先生に、
新潟中越地震(2004)、丹波市豪雨災害(2014)、
東日本大震災(2011)での事例についてご紹介いただきました。
新潟中越地震の復興の段階で、山古志地区では、
集落に残りたい人たちが残れるようにしたそうです。
一方、小千谷市東山地区では、移転先を用意し、
希望する世帯が移転できるようにしたそうです。
どちらの事業でも、復興事業に参加したのは
全世帯数の約半分だったそうです。
中山間地域での復興では、元通りにするのは難しく、
結果として、人口は減少することになる。
行政も住民も、そういう厳しい現状を認識しつつ、
どういう形で復興するのかベターなのかを、
時間をかけて話し合いながら進めていくことになりますが、
その時に、中間支援組織や専門家や地域以外の人々は、
どう関わっていくのかを、具体的にお話しいただきました。
「事前復興」という言葉があります。
これは、実際に災害が起きた時を想定して
復興の手順や復興後の将来像を共有することと、
災害が起こる前に、災害に強いまちにしておくことの両方を指すそうです。
実際に災害が起こると、生活を復旧する作業に追われ、
それが一段落した時に、将来のまちをつくる復興が始まる。
震災だけでなく、大雨による洪水や土砂災害が
あちこちで頻発している現状を思うと、
「事前復興」に取り組んでおくことが大事なことだと
あらためて感じました。