鉄道会社のコミュニティデザイン
昨日のうめきたTalkin'About「人と人がつながる高架下空間」には、
25名の方にご参加いただきました。
話題提供いただいた阪急電鉄株式会社 都市交通事業本部
えきまち事業部の永田賢司さんは、神戸大学大学院で
交通・都市計画を研究された後、2009年に阪急電鉄に入社。
宝塚歌劇や駅ナカの店舗誘致・販促・広報、
西宮北口の駅ナカリニューアルなどを経験された後、
2015年にTauT(トート)阪急洛西口を担当されました。
洛西口駅が開設されたのは、2003年。
その12年後の2015年に阪急洛西口~桂駅間の
鉄道高架化工事が完了し、高架下空間が生まれました。
京都市と阪急電鉄はその活用のために包括連携協定を結び、
地域との長期的な関わりを生み出していくために
物販・飲食・生活サービス施設だけでなく、
子育て支援・市民交流施設や各種教室、
創業支援施設やオープンスペースを創り出しました。
洛西口駅から東に600mの場所には、JR桂川駅があります。
開設は2008年で、駅前にはキリンビールの京都工場跡地を
開発したイオンができていて、多くの人で賑わっています。
それまでビール工場と自衛隊の駐屯地と田畑だけがあった
エリアに駅が2つできて、いくつものマンションが建ち、
また洛西口駅南西では、京阪HDが複合商業施設を
誘致する計画が進めています。
新たな開発地には、新たな住民があちこちからやってきます。
つまりコミュニティは存在しないので、一から作ることになります。
TauTでは、その取り組み方針として、
「まちの多様な主体による協働量の最大化」を掲げ、
まちの資源を活用し、地域の人に関わってもらい、
チャレンジしたい人を応援するための取り組みを形にしています。
その手法は従来型の公民連携ではなく、
「公-民-市民連携」ともいうべき
新たなモデルを模索しているように見えます。
この取り組みを企画段階から現在に至るまで
永田さんが担当し続けているのもすごいですが、
永田さんを信頼して任せている阪急さんもすごいと思います。
永田さんからの話題提供は30分で、
その後90分は、参加者のみなさんからの質問や感想や
自身の取り組みなどをお話しいただきました。
永田さんは現在は沿線全体の活性化企画を
担当されているそうですが、うちの地域でも取り組みを!
というラブコールがいくつも聞かれたのが印象的でした。