本の紹介
2016.04.04
「都市をたたむ」饗庭伸 著
饗庭伸「都市をたたむ」花伝社 2015年
人口減少社会において都市の空間はどのように変化していくか?それに対して都市計画はどのようにあるべきか?饗庭氏はこの問いに答えるにあたり、なぜ都市は生まれたのか、人口増加局面において日本の都市はどう作られていったか、そこで都市計画はどんな役割を果たしていたかをまず丁寧に整理しています。
そして人口減少の局面においては、コンパクトシティとしてイメージされているような都市の縮退ではなく、都市の大きさ自体はほとんど変化せず、内部のランダムな場所で都市の密度が下がる「スポンジ化」として顕在化することを指摘し、そこで生まれる空間を活かし、私たち一人一人が持つ「小さな目的」をどう実現させていくかというビジョンを示しています。