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本の紹介

「断片的なものの社会学」岸政彦著

「断片的なものの社会学」岸政彦著


マイノリティの生活史を研究テーマにする著者は、
一般の人が書いたブログや聞き取り調査で得られた
社会学の範疇に収めることの難しい
しかし魅力的な人生の断片的な語りの数々を、
自身のエピソードとともに紹介しています。

 

「私たちは、たいした才能もなく、金持ちでもなく、
 完全な肉体でもない、このしょうもない自分というものと
 死ぬまで付き合っていかなくてはならない。」

 

「ここにはいかなる意味もない。」

 

マジョリティの立場にいる人間は、
こうしたエピソードを、無自覚のうちに
暴力的に意味や物語に回収してしまうことがある。
そこからいかに逃れることができるか
そしてエピソードそのものの魅力を
いかに解像度を落とさずに伝えることができるか。

 

この本は、そういう書かれ方をしています。
とても刺激的な本でした。

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