10/9(月祝)「みつめればそこに」再演
「みつめればそこに」の再演まで、1週間を切りました。
ここで改めて、作品の紹介を。
入江泰吉氏は奈良・東大寺の旧境内地で生まれ、
大阪で写真家としての地歩を築きましたが、
大阪大空襲で家を焼失。奈良に戻り夫婦で下宿暮らしを始めました。
放心状態を埋めるように、亀井勝一郎の「大和古寺風物誌」を
手に奈良の古寺を遍歴する中で、たまたま東大寺法華堂の
四天王像が疎開先から帰還するのを目撃しました。
その時に、戦勝国のアメリカが賠償として
日本の古美術を持ち帰るという噂を耳にし、
奈良の仏像を写真で記録することを決意。
大阪の闇市で機材を揃え、撮影を始めました。
翌年、東大寺に撮影に来ていた入江は
幼馴染の上司海雲氏(当時、東大寺観音院住職)との
再会を果たしました。小説家・志賀直哉の文化人サロンを
引き継いでいた上司氏を介して、入江氏は多くの知遇を得て、
大和路を撮り続ける写真家として、歩みを進めていきました。
入江氏は自身の中にある、天平の奈良のイメージを
写真に収めるために、何時間も、何日も待ち続けました。
一千年前とつながれる場所が、今も残されている場所。
彼は終生、その風景を追い求めたのでしょう。
大阪ガスpresents「イストワールhistoire」第7話
朗読公演『みつめればそこに』
■プロローグ「入江泰吉がいた奈良」(約15分)
出 演:川中康子 楠木みや子 倉林秀子 小嶋新一 信岡かおり
■朗読劇「みつめればそこに」(約80分)
作・演出/小栗一紅
出 演 入江泰吉:秋月雁 欅:豊島由香 上司海雲:九谷保元
入江光枝:小室千恵 入江の弟子:柴垣啓介(劇団ひまわり)
■アフタートーク(約20分)
ゲスト 11時:矢野建彦 15時:倉橋みどり
日 時:10月9日(月祝)11:00/15:00
会 場:奈良県立図書情報館 1F交流ホール
奈良県奈良市大安寺西1丁目1000
定 員:各回200名(先着順/定員になり次第、締め切り)
料 金:1,000円(受付にてお支払い)
お問合わせ:0742-34-2111 (奈良県立図書情報館)
戦後40年以上にわたって奈良を撮り続けた写真家・入江泰吉氏。その自宅は、古都・奈良の情緒を残す東大寺の境内地にあります。家の窓の外には、手を伸ばせば届く距離に大きな欅の木が生えています。
入江氏の生まれる前から、そして亡くなった後も、そこにあり続けている欅。この欅を“時代をつなぐ語り部”として、入江氏の後半生を描いています。
主 催:大阪ガス株式会社
共 催:奈良県大芸術祭実行委員会・奈良県立図書情報館
後 援:奈良市・奈良県ビジターズビューロー
協 力:入江泰吉記念奈良市写真美術館・入江泰吉旧居
申込み方法
■奈良県立図書情報館ホームページ申込みフォーム
http://www.library.pref.nara.jp/event/event_moushikomi.html